第741回  2011年6月14日発行

■ 雷天大壮 らいてんたいそう 34 ■

イーチャンタロットでは、大壮(たいそう)のカードです。

イーチャンタロットの上に易の卦の象意が描かれています。

易では、 雷天大壮(らいてんたいそう) です。

大壮(たいそう)は、大いに盛んであるという事です。

カードに描かれているのは、

天上に勇ましく雷鳴がとどろくように、勢いがよく

強い様です。

陽の力が増大し、飛ぶ鳥を落とす勢いがありますが、

気持ちばかりが焦って、中身が伴わない時です。


大いに強い、つわもの、喧騒、礼儀を守る、止まる


カードが逆位置にある場合には、
障害があっても鍛える時とみます。




第742回  2011年6月27日発行

■ 火地晋 かちしん 35 ■

イーチャンタロットでは、晋(しん)のカードです。

イーチャンタロットの上に易の卦の象意が描かれています。

この卦は、地の上に太陽が昇った姿で真昼の卦です。

易では、 火地晋(かちしん) です。

晋(しん)は、進むという事です。

太陽がますます中天に昇り進むことから、

やる気満々で、運気も活力もある時です。


昇る、昼、明るい、得意の絶頂


カードが逆位置にある場合には、
運気、活力の陰りがある時とみます。




第743回  2011年7月2日発行

■ 地火明夷 ちかめいい 36 ■

イーチャンタロットでは、明夷(めいい)のカードです。

明は、明らかなるもの、賢人の事です。

夷は、傷つけ破る事を言います。

イーチャンタロットの上に易の卦の象意が描かれています。

この卦は、地の中に太陽が沈んでしまって光を放てない

周囲は真っ暗な夜の卦です。

この卦が出た時は、

暗黒の闇に身を隠すように、知恵や才能を隠し、

後日に備えたほうがよいでしょう。

滅びる、隠れる、暗黒、馬鹿な様子、天誅


カードが逆位置にある場合には、
ほのかに明かりが見えてきた時とみます。



第744回  2011年7月17日発行


■ 風火家人 ふうかかじん 37 ■

イーチャンタロットでは、家人かじん)のカードです。

家人は、家の人の事です。

この卦は、五爻に陽、二爻に陰があり、

どちらも中正を得ています。

五爻は、バリバリ働く夫、

二爻は、家をしっかり守る妻を表していて

互いに協力して家庭の調和があります。


家庭の人、主婦、良妻、平和、内部結束


カードが逆位置にある場合には、
家庭的でない人、時とみます。



第745回  2011年8月2日発行

■ 中古車 ■

忘れもしない5年前の話です。

車の免許取りたてで、その中古車を手に入れました。

その中古車は、年式も新しいのに、

とても安い車でした。

車を走らせると、

直ぐにぶつけてしまいました。

かすった程度だったので

その時は、

自分の運転が未熟だったと思っていました。

その日の夕方、

道路を走っていると、

急に眠くなって、

次に目を覚ました時は、

病院でした。

ガードレールにぶつけたと言う事でした。

ただ、後ろの車が

前に何もないのに、

何かを避けようとして

ガードレールにぶつけたと聞きました。

幸い、怪我も、車もたいした事もなく、

又凝りもせず、ドライブしていると、

眠くなってきました。

このままじゃ、事故ると思って

車を止めると、

「何故走らせない」と耳元で囁く声がしました。

その中古車、直ぐに売りました。




第746回  2011年8月3日発行

■ 蔵 ■

京都の古い家には、蔵があります。

その中に入らせてもらった時に

ゆらゆら揺れる

着物のようなものが見えました。

私は、蔵を見せてくれた友人に

「あれは?」と

友人に向かって振り返って

もう一度、

ゆらゆら揺れる着物のようなものを

指さすと、

そこには、古い桐箪笥が

あるだけでした。

友人は、何を言っているのか、

よくわからないようでした。

古い蔵には、

見えないものが見える時があるようです。




第747回  2011年8月4日発行

■ 火事の遭った場所 ■

私は、以前ワンルームマンションに住んでいました。

そのマンションの建っていた場所の裏に

おじいさんが住んでいました。

そのおじいさんのたばこの不始末らしいのですが、

火事になりました。

マンションには、延焼しなかったのですが、

おじいさんの家は全焼し

おじいさんもその火事で亡くなりました。

その3日後の夜、

丸焼けになった場所が

橙色に見えて

そこに焼けただれたおじいさんが

もがき苦しんでいるのが見えました。

その次の日、

荷物も少なかったので、

そのマンションを引越ししました。




第748回  2011年8月5日発行

■ タクシーの怪異 ■

私は、以前タクシー運転手をしていました。

その時の話です。

その日は、ジメジメしていて

嫌な感じの日でした。

とはいうものの、飲み屋街の近くで

お客を乗せられてホッとしました。

そのお客は、「どこそこまで」というと

すぐ寝てしまいました。

すると、横に乗っていた女性が

「どこそこに行く前に、・・・に寄ってください」と

言うと、黙ってしまいました。

横に乗っている男性は、ぐうぐう寝てしまっているし、

女性に声をかけても、

話に乗ってきません。

車を走らせて、・・・の近くに来ると、

どこに止めます?と

後ろをバックミラーで見ると

その女性は消えていました。

私は、消えた女性を確かめるために

車を止めて男性客をゆり起こすと

乗ったのは自分ひとりだ。ここはどこだ?

と寝ていたのを起こされて気分を害しているようでした。

ただ、その女性客の様相を話すと

びっくりしたようで、

急死した元カノに似ているようでした。

また、・・・の場所は、

元カノの住んでいた場所だったそうです。

とにかく、どこそこまで車を走らせて

その男性を降ろしましたが

その後は、気持ちが落ち着かなくて

仕事になりませんでした。

後から考えてみると、

その女性の顔、ちゃんと見ていないんですよ

というか、

顔がはっきりしなかったんです。

で、男性客にその女性の様相を話せたのは

服の模様なんです。

その服、その男性客が元カノが急死した前に

彼女にねだられて、買ったものだったそうです。





第749回  2011年8月6日発行


■ 夜中の湖 ■

友人たちといたずら心で

止めてあるボートを漕ぎだしました。

全部で3艘

時間は、0時

二人ずつ、組になって

途中にある小さな島まで競争するという

遊びになるはずでした。


ところが、一番初めに到着したはずのボートの様子が

おかしいのです。

夜中の事なので、

お互いに懐中電灯で

合図を送りながらそのボートに近づいていくと

一人は湖で泳いでいるようだし、

一人は、歯をがちがち言わせながら

震えていました。

泳いでいる友人をボートに引き上げて

急いでみんなで岸に上がりました。

明るいところまでくると、

震えていた友人が

その重い口を開きました。

ボートを漕いでいると

ボートの前のほうでおぼれている少女が見えたそうです。

そして、その少女が「助けて・・」と今にも

沈んで行きそうになっているので

K君が湖に飛び込んだそうです。

ただ、K君が飛び込んだ途端に

その少女は見えなくなり、

懐中電灯でボートから探し回ったそうです。

すると、ボートを囲むように

湖から手だけがだくさん出てきたそうです。

助けに行ったK君は、少女はどこだ?と

叫んでいるし、湖から突き出た手は増えてくるし

どうしていいかと思っていた時に

私たちが近づいてきたそうです。

後で、その湖の事を聞いてみると、

夜には、

同じような事を経験した人がいるそうで

暗くなると、

ボートは動かせないようにしているとの事でした。

ただ、僕たちがボートを綱から外したときは、

簡単に取れたんですよ・・・なぜか?




第750回  2011年8月7日発行

■ 川の石 ■

子供の頃の話です。

田舎の叔母さんの家に遊びに行きました。

夏休みのお盆の頃と思います。

川に従兄弟たちと遊びに行きました。

そんなに深い川でもないし、どこにでもある川で

タオルなどで小さな魚をとっていました。

そんな時に

白くて、平らな石を見つけました。

何故、その石を川から取り上げたのかも

覚えていませんが、ただ拾ってポケットに入れて

叔母さんの家に持って帰りました。

その晩です。

白くて丸いもやのようなものが夢の中に表れて

返してくれ、帰してくれ、かえしてくれ・・

と物悲しい声で言うのです。

次の日も同じような夢を見ましたが、

声がもっと近くに来たように聞こえました。

その次の日も、同じような夢を見て

声が更に近くに聞こえました。

4日目の朝、

ポケットに入れていた石を

近くの水路に捨てました。

すると、その日からは

気持ちの悪い夢を見なくなりました。

従兄弟たちにもその話をしていませんし、

親にも言わなかったのですが、

自分でも何故言わなかったのか

よくわかりませんでしたが、

その気持ちの悪い夢は、

その石のせいだという事は、

子供だった私にも分かりました。

それから、物を勝手に取らないようにしています。