第931回 2014年12月2日発行

■ 神社の仕組みが分かる建築の配置 ■
一般的に神社は、
本殿、弊殿、拝殿、手水舎、社務所などの
建物が備わっています。
神社の入り口には、
鳥居がたち、それより先は、神域になります。
鳥居から、拝殿までの道を参道といい、
その両側に狛犬などの霊獣、燈篭が置かれ、
境内には、社務所、手水舎などが建てられています。
最奥に有るのが、本殿で
その両側に弊殿、そして、拝殿と連なっています。
さて、本来神様は、
山、岩、滝、巨木などの自然物に宿るとされていました。
祭場を設けた真ん中に神籬(ひもろぎ)を設け
神霊をお迎えしました。
社殿は、その祭場を
風雨から守る為に建てられたものです。


第932回 2014年12月4日発行

■ 神社建築で、最も重要な本殿 ■
神社で最も重要な建物は、本殿です。
本殿は、内陣と外陣に別れていて、
内陣には、ご神体が安置されています。
ご神体には、鏡、玉、御幣などが多いようです。
一方、本殿のない神社もあります。
例えば、奈良県の大神神社は、
三輪山を神体山として拝みます。
こうした神社は、自然物に神が宿るとして、
畏れ、それを敬った古い神社の形態を現在に残しています。
御幣・・・細長く切った白、金、銀の紙などを
竹や木の弊串にはさんだもの


第933回 2014年12月6日発行

■ 弊殿と拝殿 ■
本殿の前に弊殿と拝殿があります。
弊殿は、神への御弊や神饌を捧げる御殿です。
正式参拝の時は、ここでお祓いをうけて、
拝礼します。
弊殿と拝殿は、ほとんど一体になっている事が多いようです。
拝殿の前には、さい銭箱が置かれ、
一般の参拝は、その前でお参りします。
境内には、摂社(せっしゃ)末社(まっしゃ)と呼ばれる
神社があります。
摂社には、本殿の神様と縁のある神様を祀ります。
末社には、もともと、当地にあった地主神などが
祀られている場合もあって、
本殿の神様より古い神が鎮座している事もあります。


第934回 2014年12月14日発行

■ 鳥居 ■
神社の入り口に立つ鳥居は、
そこが神聖な神域で有る事を示しています。
鳥居は、神社のシンボルで、そこに鳥居が立っていれば、
神が祀られている事が分かります。
根拠はないようですが、「日本書紀」で、天照大御神が
天岩屋にこもったときに天照を呼び戻す為に
「常世の長鳴き鳥(にわとり)を
止まり木にとまらせたのが、鳥居の起源という説があります。
鳥居をくぐる事は、神域に踏み入れるという事なので、
参拝の作法を守ってもらった方が良いでしょう。
まず、鳥居の前に来たら、一礼し、
鳥居の下は、中央を避けて左右のどちらかの端をくぐります。
鳥居の中央は、神の通り道である正中とされています。
参道も中央は踏まないように心がけてください。


第935回 2014年12月17日発行

■ 狛犬 ■
狛犬は、神社の入り口や、拝殿の前、あるいは
参道の左右に置かれて、獅子の姿をしています。
「高麗犬」とも書く狛犬は、高麗(古代朝鮮の国名)から
伝わってきた霊獣です。
拝殿に向かって右側に置かれているほうが口を開けた
「阿形あぎょう}左側に置かれて口を閉じている方が
「吽形うんぎょう」というのが、一般的です。
仏教の呪文、「阿吽」と同じで、宇宙の始まりと
終わりを示しています。
狛犬以外にも、狐、狼、鹿、牛などを置いてある神社もあります。
これらの動物は、祭神の「つかわしめ」で神使といいます。
狛犬とは、存在意義が事なりますが、
神社を守っている点では、同じです。


第936回 2014年12月20日発行

■ 神様のご利益 ■
神様としては、商売繁盛、家内安全、金運向上、
恋愛成就など全てを叶えてあげたいと
おもわれているようですが、
日本の神様は、それほど万能ではないようです。
この辺のお話は、後日に m(_ _)m
さて、ご利益は、各神社の縁起と関わりがあり、
神社の神格に由来します。
すなわち、「八百万}の神様が存在していて、
それぞれのご利益も違います。
ですから、神社を参拝し、ただ願かけをするだけでなく、
そこの神様の由来を知っている方が
有利です。


第937回 2014年12月21日発行

■ 神様の司るご利益 ■
神様の後利益には、得意分野があります。
専門分野以外は、色々な分野を
掛け持ちしている事が多いようです。
代表的な神様をご紹介いたします。

商売繁盛を専門とする神様は、
大黒様、恵比寿様、倭建命(やまとたけるのみこと)様
お稲荷様、木花之佐久夜毘売(このはなさくやびめ)様
縁結びを得意とする神様は、
大国主神(おおくにのぬしのかみ)様、
菊理媛尊(くくりひめのみこと)様
木花開耶姫(このはなさくやひめ)様
子育て、安産を得意とする神様は、
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)様
健康、長寿を得意とする神様は、
須佐之男命(すさのおのみこと)様
受験を得意とする神様は、
菅原道真様
必勝祈願を得意とする神様は、
八幡大神(はちまんおおかみ)様
武御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)様
建御名方神(たけみなかたのかみ)様
経津主命(ふつぬしのみこと)様

他にも色々あるようですが、
効果的なお参りをしてください m(_ _)m


第938回 2014年12月23日発行

■ 神社の参拝方法 ■
神社の参拝方法で、まず第一なのが気持ちの有り様です。
神様を尊敬し、そのお宅を訪ねるような気持ちが必要です。
酒気帯び、境内で騒ぐ、喫煙、ゴミで汚すなどはご法度です。
服装も失礼にならない程度に、
脱帽し、サングラスなどは、外すのがエチケットです。
鳥居は、神様の玄関口のようなものですから、
鳥居の前で立ち止まり、軽くお辞儀をし、
中央を避けて通ります。
参道を歩く時は、中央を避けて、出来れば左側を通ります。
清浄を好む神様には、身を清める手水舎は、欠かせないものです。
基本的に参拝方法は、
賽銭を入れた後、鈴を鳴らします。
深々と2回礼をします。
拍手を2回します。
もう一度、礼を1回します。
(二拝二拍手一拝)
神道では、手を打つ事(柏手)が感謝や喜び之感情を表します。

神社の参道には、
玉砂利が敷き詰められている事が多いようです。
これは、神聖な場所を清浄に保つ為です。
古来、「玉」は魂や御霊に通じ、
霊的なものが宿るとされています。
その石を踏んで歩く事で、参拝者も清められるとされています。


第939回 2014年12月25日発行

■ 初詣 ■
初詣の一種とされる恵方参りは、
古くから伝わる正月の参詣のひとつです。
江戸時代は、元旦の未明に、
その年の縁起の良い方向(恵方)に有る神社や
寺院に参拝しました。
平成27年の恵方は、
その年の歳徳神(としとくじん)がいる方向で、
西南西、庚(かのえ)の方位です。
ただし、自分の縁のある神社に
まずは、参詣し
感謝される事をお忘れなく m(_ _)m


第940回 2014年12月27日発行

■ おみくじ ■
おみくじを引いて、それを境内にある木に結びつけるのは、
神様との「縁を結ぶ」事を意味する風習です。
おみくじは、神様からのメッセージとして受け止め、
生活の指針とした方がよいでしょう。
ですから、たとえ凶を引いても、
「油断せずに用心していれば、神のご加護があり、
吉に転じる」という意味が込められています。
大吉になるまで、何度も引き続けるのは、
意味の無いことでしょう。